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「大企業による新規事業」のリアル

TOUCH TO GO阿久津氏に聞く、新規事業立ち上げの秘訣と最速での成長に向けた組織作り

第19回 ゲスト:株式会社TOUCH TO GO 阿久津智紀氏

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 新規事業開発に携わる方へのインタビューを通じて、大企業内の新規事業開発における美学を探る本シリーズ。今回のゲストは、JR東日本スタートアップ株式会社に所属しながら、同社初のカーブアウトとして、株式会社TOUCH TO GOを立ち上げ社長に就任した阿久津智紀氏。
 2019年に高輪ゲートウェイ駅でスタートした無人レジ決済システム。ファミリーマート、ANAをはじめ、次々と提携の手を広げる阿久津氏に、本気ファクトリー株式会社代表取締役の畠山和也氏が聞きました。

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事業の川上から川下まで経験したことが新規事業に役立った

畠山和也氏(以下、敬称略):阿久津さんは、JR東日本初のカーブアウト(親会社から別企業として独立させること)の立て役者ですよね。JR東日本というと、大企業中でも特に保守的なレガシー企業として世の中の人には認知されていると思うのですが、なぜ、無人レジ決済システムのような、先進的な取り組みができたのでしょうか。大きな組織を動かすために、阿久津さんがどんなアプローチをとられたのかお聞かせください。

阿久津智紀氏(以下、敬称略):私自身の自己紹介も兼ねてお話させていただきますが、2004年のJR東日本入社からの経験が、今の自分を形作っているといっても過言ではありません。

 まずスタートが、「NewDays」というコンビニエンスストアの店長を3年間務めました。新卒で入社してすぐに一国一城の主として店舗を全部任される。アルバイトさんだけでも20〜30人くらいいますし、自分が処理を忘れると彼らへの給料が振り込まれないし、アルバイトさんが来ないと自分でレジに立たなければなりません。人員の確保も大変だったので、この時期に「人がいなくても、店舗運営が回っていけばいいのに」と思ったのは、今の事業につながっていますね。

 その次に携わったのが、JR東日本ウォータービジネスという自動販売機の事業です。当時JRは自動販売機の場所貸しを行っていたのですが、それを直営化することになりました。そのために立ち上がった事業に一番の若手で投入され、本当に寝る暇もないくらい働いていました。十数人のメンバーで事業を行っていたのですが、数年間で売上を倍増させています。ここでは、20代の若手から、大手飲料メーカーの営業相手に仕入れ交渉をするという経験をさせてもらいました。

畠山:怒涛の20代ですね。

阿久津:いい経験ではありましたが、大変でもあり、同じことをもう一度やれと言われても無理だと思います。そのあと移ったのが、青森県のシードル(リンゴ酒)工房です。JRは新幹線の開業に向けて地元の行政と一緒に地域活性化に取り組んでいます。その一環として青森県産のりんごからシードルを醸造して地域の活性化につなげるというプロジェクトを始めました。青森に赴任して酒造りのノウハウを教えてもらい、工場の立ち上げ、地域での人材集め、駅ビルの再編と5年ほど経験しました。社員に渡す給料も茶封筒でやっていたほどの手作りの事業でしたが、ここでも事業の川上から川下まですべて経験できたのがよかったように思います。

 そしてその後、JRの共通ポイント統合事業をやったあとに、2017年JR東日本スタートアップの立ち上げに参画しました。

畠山:JR東日本スタートアップはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか。

阿久津:ドイツ鉄道の視察で次々新規事業を立ち上げている様子に刺激を受けたこと、国内の大手企業でもスタートアップとの協業が始まっていることから、JR東日本としても取り組んでいこうということで動き始めました。最初は単発の協業が多かったのですが、継続性と発展性のためには大きな資金が必要だということで、有望なスタートアップに出資するCVCとなって今に続いています。

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この記事の著者

畠山 和也(ハタケヤマ カズヤ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

佐藤 友美(サトウ ユミ)

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