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IBM Future Design Lab.の独自調査 生活者視点からコロナ後の市場変容への見解発表

 日本IBMは、社会変革とテクノロジーを焦点にした議論を深めるプロジェクト「IBM Future Design Lab.」の活動として、国内の生活者を対象とした市場調査「コロナ後を見据えた、生活者動向・DX受容性調査」を実施した。

[公開日]

[著] BizZine編集部

[タグ] 事業開発 企業戦略 DX

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 本調査は、新型コロナウイルス感染症対策が継続する中で生活価値観の変化やデジタルトランスフォーメーション(以下DX)によるサービスの高度化への期待などを明らかにしたもの。特に、DXによるサービスの高度化への期待については、20~70代の男女の4割以上が「受容する」と回答し、今後、DXの波は産業の場から、生活の場へと拡張していく兆しを捉えた。

受容層は43.1%、拒否層は12.5%にとどまる実態が明らかに

 政府や多くの企業がDX推進の旗を振り上げる中、肝心の受け手、つまり生活者はどう感じているのか。この疑問に答えるため、IBM Future Design Lab.が生活者調査を実施した。

 幅広い層の本音を探るために、同調査では、回答に知識の差が影響しないよう分かりやすさを徹底。DXの受容性についても、生活者への最大のベネフィットをサービスと定義し、「デジタル環境や技術の向上を背景に、提供されるサービスが高度化していく風潮を受け入れるか」という問いを投げかけた。その結果、「積極的に受け入れたい」「やや受け入れたい」の合計(以下、受容層)が43.1%に達していることを確認。その他、「どちらとも言えない」との回答(以下、態度保留層)が44.4%、「やや受け入れたくない」「全く受けれたくない」の合計(以下、拒否層)が12.5%に留まる実態が明らかになった。

 更に、各層の構成を分析すると、4割を超す受容層は、男女比では男性が多く、年齢区分でみると20代、30代が多くなっていた。また、44.4%と最大のボリューム層となった態度保留層は、男女比では女性が多く、年齢区分では、60代、70代が多くなっていた。拒否層では、意外なことに、男性では20代が多く、女性では想定通り70代が多くなっていた。

 20代は、他の設問からも、デジタル化の波を肯定する層と警戒する層に2分される傾向が示されており、「若年層=デジタル推進のコア世代」との認識を改める必要があることも、今回の調査結果から明らかになった。

DX

コロナ禍で、「ネットとリアルのいいところ取り」への要望が高まる

 また、サービスへの期待を聞いた設問では、全体の73%が「リアルとデジタルのいいところを使い分けたい」を選択。全回答の中で1位となった。また、そうした気持ちがコロナ禍で高まったか、との問いに対しても25%が「高まった」と回答。4人に1人が、コロナ禍で「ネットとリアルのいいところ取り」への期待を募らせた実態が明らかになった。

 こうした結果から、多様なサービスチャネルへのアクセスを提供するマルチチャネル戦略では、生活者の要望を満たせないことが判明。今後は、ネットとリアルの利点融合を前提とした顧客体験の提案が期待されることが確認できた。

 一方、DXによるサービス進化への課題も明らかになった。「使い方が簡単なら、先端技術によるサービスを使いたい」との問いへの回答率は66%となり、生活者がサービス利用の際に使い方の難しさに躊躇する姿が推察された。また、「個人情報の提供には抵抗がある」「政府や大企業でも、個人情報の大量な保有には抵抗がある」との設問への回答は共に6割を超えており、生活者が個人情報の提供に警戒感を抱いていることが示された。

 前述した、態度保留層も、個人情報への警戒からサービスの高度化に戸惑っており、今後、DXによる事業変革がより拡大するためには、使い易さへの配慮や個人情報提供への警戒を解消することが鍵となることが、改めて確認できた。

DX

業界の枠をこえ、顧客の理解度を競う、新たな市場競争が加速する

 他にも、今回の調査から、コロナ禍を経た生活者の変容が明らかになっている。具体的には、生活上の意識では「元気で、健康な暮らし」87%で1位、「自ら備えることが大切」が85%で2位と、保守的な価値観と変化への対応を示す価値観が上位を占めており、消費意識では「所有した方が安心」が72%で首位となっていた。

 前述した4割を超す受容層は、この様なコロナ禍での価値観や消費意識など生活に根差す意識の変容をうけて出現している。よって、コロナ後の事業変革を成功に導くには、変節し続ける顧客の実態に寄り添うことが必須となるはず。

 つまり、コロナ後に顕在化する新たな市場競争とは、こうした顧客理解の競走とも言えよう。顧客を正しく理解し、期待を越える体験を提供する中で、更に互いの絆を強固にしていく。それができる企業と、できない企業に大きな差が生じる、そんな未来が見え始めている。