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経営参謀としてのCFO

日置圭介氏に聞くワールドクラスの経営──ファンクションベースの組織設計とリソース・アロケーションとは

ゲスト:一般社団法人日本CFO協会/一般社団法人日本CHRO協会 主任研究委員 日置圭介氏

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 インテルの日本法人と米国本社でFP&A (事業部コントローラー)とCFO職(日本法人)に就き、日本におけるFP&Aプロフェッションの啓蒙活動に携わる石橋善一郎氏をホストに、CFOを中心としたコーポレート部門の果たすべき役割、日本企業の課題について議論していく本連載。今回は2020年9月に上梓された『ワールドクラスの経営 日本企業が本気でグローバル経営に挑むための基本の書』(ダイヤモンド社)の共著者である日置圭介氏(日本CFO協会・日本CHRO協会 主任研究委員)をゲストに迎え、「真のグローバル企業」のマネジメントについて聞く。

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ファイナンスに対する高い意識を感じたIBMでの経験

石橋善一郎氏(日本CFO協会 主任研究委員兼FP&Aプロジェクトリーダー、以下敬称略):日置さんはどのような経緯で、グローバル企業の経営を深く知ることになったのでしょうか。

日置圭介氏(日本CFO協会 主任研究委員、以下敬称略):大学時代に組織論に興味を持ちました。社会における代表的な組織のひとつは企業です。企業という組織を評価するにはファイナンスの理解が必要だと思っていました。そこで、働きながらファイナンスを勉強できると考えて新卒で税理士事務所に入ったのがキャリアの始まりです。クライアントは中小企業でしたので、ファイナンスの理屈の部分はもちろんのこと、キャッシュ(現金)という生々しいものの大切さを痛感しました。

 その後、留学を経て2001年にPwCコンサルティングに入社しましたが、2002年に買収されてIBMの一員になりました。そこで実感したのが、グローバル経営への周到な構え方や、ファイナンス、あるいはキャッシュに対する意識の高さです。それまでサポートしていた日本の大企業とは違うと感じました。それが、今に至る原点だったのかなと思います。

石橋:どのような点に違いを感じたのでしょうか。

日置:一言でいうと、すごく“見晴らし”がいいのです。例えば極東のローカルマーケットである日本のお客様とのプロジェクト状況が、米国本社から見える状態になっていました。従業員のデータベースも整っていて、何階層でCEOまでたどり着くのか、レポートラインが確認できました。他にも、ミッドタームやコミットメント・プランがどのように策定されるのか、また、新規事業やサービスがどのような仕組みで創出されるのかなどが、当たり前にきちんと整備され、ルールがイントラで開示されていました。僕はローカルの一介のコンサルタントでしたが、その気になれば、経営がどのように動いているのかを知ることができる状態にあったのです。

 仕組みやルールが整備されているということは、それに伴う要望や要求も色々と発生しますので、使われる側からすると厳しい世界ですけれど、経営する側からすると「見晴らし」がいいのだろうと感じていました。

石橋:「ファイナンスに対する意識の高さ」とは、具体的にはどのようなことを指していますか。

日置:IBMでは、経営の大事なところには必ずファイナンスが配置されていました。僕が所属していた当時はブランド軸、インダストリー軸、カントリー軸と、3つの軸で経営していました。ファイナンスは収益責任を負っていたブランド軸、インダストリー軸のそれぞれの事業部門を、時にファイナンス部門の人材同士がコンフリクトを調整しながらサポートしていました。そういう仕掛けがあったからこそ、複雑な会社がうまく回っていたのだと思います。他の企業と比較してもファイナンス部門の人員数も多かったのですが、ファイナンス部門以外でもファイナンスに理解がある人間が多いのも強みでした。キャッシュについては、当たり前にグローバルで一元的にマネジメントするための仕組みが整備されていました。

日置圭介一般社団法人日本CFO協会/一般社団法人日本CHRO協会 主任研究委員 日置 圭介氏

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この記事の著者

石橋 善一郎(イシバシ ゼンイチロウ)

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