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日産自動車が目指す未来のクルマ社会──運転に替わる新たな顧客体験と、開発・自動運転におけるAIの進化

 「技術の日産」が未来のクルマ社会をワクワクさせる。コネクテッドカー(Connected car)、自動運転(Autonomous)、シェアードモビリティ(Shared Mobility)、そして電気自動車(Electric car)の頭文字をとった「CASE」はメディアで取り上げられるようになり、一度は耳にしたことがあるだろう。そのひとつである、コネクテッドカーは車をIoT化する技術であり、5Gの普及やAIの発展を背景に、今後さらなる進化を遂げることが予想されている。ネットワークに繋がる自動車に集められたビッグデータは、どのように活用されるのか。そして、「コネクテッドカー社会」となった未来にはどのような暮らしが待っているのか。2019年12月13日に開催されたマイナビニュースフォーラム 2019 Winter for データ活用で、日産自動車の上田哲郎氏が講演した。

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[取材・構成] 保 美和子 [写] 黑田 菜月 [編] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] 自動運転 AI

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20年以上取り組み続けてきた日産の“Connected”とは?

 コネクテッドカーとは「ICT機能を搭載したクルマ」と定義されている。CASEの他の3つも常にネットワークに“Connected”している車を想定していることから、コネクテッドカーが最もコアとなる技術である。新しいテクノロジーと思われがちではあるが、上田氏は「車のオンライン化は、実は98年から取り組んでいます」と語る。

 1998年にオペレーターサービスを中心とした「コンパスリンク」というサービスを開始した日産自動車は、2010年からは100%電気自動車のリーフを販売している。電気自動車を購入する際にユーザーが気にするポイントのひとつに「自宅からどこまで無充電で行けるのか」ということが挙げられる。同社は当初、走行可能距離の円を描き、それを走行できる距離の目安として伝えていた。しかし、地形や高低差、交通渋滞などが加味されていないため、実際の走行距離との差が生じてしまうという課題があった。

 時代を経るごとに“Connected”は進歩し、電気自動車の多くはインターネットに常時接続されるようになった。リーフがどこをどんな状態で走行しているのかといったトラッキングデータを収集することで、バッテリーの状態を可視化することができるようになったのだ。そのため、現在では、膨大なトラッキングデータをもとに、近隣のユーザーは実際にどこまで走行できたかという実績をデータで提示できるようになったのだという。

 20年以上にわたり開発を進めてきたコネクテッドカー分野であるが、ここ数年でその技術革新は目覚ましい発展を遂げている。その理由として上田氏は「自動車の楽しみ方が変わりつつあることに起因している」と述べた後、同社が2019年夏に発表した、国産車で初の自動車専用道路上での手放し運転を可能したプロパイロット2.0の技術を紹介した。

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